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眼瞼部のサルコイド

術日

術日

二週間後

六週間後


2歳育成馬の下眼瞼付近の腫瘍を取ってほしいとの依頼でした。

おそらくサルコイドだろうとの推測で、眼瞼の機能を損なわないよう注意して全摘し検査へ出しました。

病理組織検査では、組織的にサルコイドもしくは線維肉腫などの軟部組織腫瘍でも矛盾しないとのことでした。

そこでサルコイドを研究されている大学でPCR検査をしていただいたところ、牛パピローマウイルス(BPV)が

検出され、サルコイドであることがわかりました。

 

眼の周辺のサルコイドは再発率が高いことが報告されていること、今回眼瞼に近く十分なマージンが取れなかった

ことから、再発防止目的で頸部に凍結組織片自家移植を実施しました。摘出した腫瘍を5mm角にして凍結させた後

(下写真左)、頸部皮下へ埋め込みます(下写真右)。この自家ワクチン療法で、15頭中12頭で腫瘍が完全に消失

したという報告があります。他の研究では、凍結組織包埋で12/16で腫瘍の数が減少、15/16でサイズが小さくなった

、8/11で他の治療なしで完全に消滅した、と報告されています。


この馬は競馬場へ移動してしまい、術後4か月経ちましたが、今のところ再発はないとのことです。

 

協力

NOSAI 家畜高度医療センター

東京大学 動物医療センター 感染制御学研究室

 

報告者:敷地光盛